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胃 ピロリ菌 発がん作用証明のデータ

老化予防や健康便りを

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老化現象の犯人AGE

 ヒトの胃内にすみつくHelicobacter pyloriは,慢性胃炎や胃潰瘍だけでなく,胃がんを引き起こすと考えられ,その病原因子として,H. pyloriが産生するCagA(cytotoxin-associated gene)蛋白質(以下,CagA)の重要性が臨床疫学的に指摘されてきた。北海道大学遺伝子病制御研究所病態研究部門分子腫瘍分野の畠山昌則教授のグループは,このCagA蛋白質が胃がん発症にかかわる分子基盤を細胞レベルで明らかにし,世界的に注目されてきた。同グループは最近,CagA蛋白質の設計図となる遺伝子を導入したマウスが胃がんを発症することを初めて証明した〔PNAS 2008 Jan 22; 105(3): 1003-1008〕。腫瘍はマウスの胃だけでなく小腸でも確認され,驚くべきことに白血病を発症するマウスも見つかった。


ブロッコリー中の化学物質免疫力回復に有用な可能性

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〔ロサンゼルス〕カリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)デービッド・ゲッフェン医学部ナノ医学主任のAndre Nel博士らは,ブロッコリーなどのアブラナ科の野菜に含まれる化学物質が,老化により低下する身体の免疫力を回復させる可能性があるとの知見をJournal of Allergy and Clinical Immunology(2008; 121: 1255-1261)に発表した。 .....................................................

 

抗酸化経路の重要性を示唆

 

 今回の知見は,ブロッコリーに含まれる化学物質スルフォラファンが特異的免疫細胞のなかで一連の抗酸化遺伝子や酵素を発現させ,これが細胞を損傷させ,疾患を引き起こすフリーラジカルに対して有効であることを示している。
 フリーラジカルは,食物からエネルギーへの代謝変換など正常な過程の副産物で,汚染大気中に存在する微粒子を通しても体内に侵入する。このような分子は,例えば,動脈閉塞を引き起こす炎症を誘発するなど,疾患を惹起する酸化的な組織障害をもたらし,身体組織や器官に対する酸化的な障害は老化の主要な原因の1つであると考えられている。
 研究責任者でUCLAの臨床アレルギー学者および免疫学者でもあるNel博士らは「フリーラジカルが老化にとって重要であることがわかってから今日まで,興味の中心はこの産生抑制のための経路よりも,むしろフリーラジカルを産生する機序に対して向けられてきた」と述べている。





イコサペントSイコサペントS



イコサペント酸エチルは脳卒中の再発を予防する/JELISサブ解析結果から(7/29)
今回取り上げるのはイコサペント酸エチル(EPA)を用いたJapan EPA Lipid Intervention Study (JELIS)のサブ解析結果である(Stroke 2008; 39: 2052-2058)。従来,「脂質異常症に有効な薬剤」は冠動脈疾患予防に効果があり
 慢性心不全患者でω3不飽和脂肪酸は効果あり、スタチンには効果を認めず
 
 
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86.不飽和脂肪酸(ビタミンF)

 脂肪は、炭水化物やタンパク質と同じように、私たちの生命活動に欠かすことのできない大切な栄養素です。
 脂肪には2つの種類があります。1つは、硬くて流れにくい性質をもつ飽和脂肪酸で、血管の壁にくっついて動脈硬化の原因になります。動物性の食品(バター、ラード、肉類や乳製品)に多く含まれています。
 もう1つが、不飽和脂肪酸で、流動性があり細胞や血管を柔軟に保って動脈硬化を防いでくれます。不飽和脂肪酸はオメガ3系、オメガ6系、オメガ9系の3種類に分類することができます。
 現代の食生活はこの不飽和脂肪酸の中でも、オメガ6のリノール酸を多量に含むサフラワー油、コーン油、菜種油、ごま油などの油が過剰でオメガ3アルファリノレン酸が不足しています。そのため悪性のエイコサノイド(ホルモン様物質)が体内で増えてアレルギー症が増える大きな原因であるといわれています。
 これを防ぐためにサフラワー油、コーン油、菜種油、ごま油などの代わりにオリーブオイルを使うことを多くの栄養療法医は勧めます。また良性のエイコサノイド(ホルモン様物質)を多くもたらすフラックスシードオイル(亜麻仁油)や魚から取れるEPAやDHAを摂ることが勧められます。フラックスシードオイル(亜麻仁油)・EPA・DHAは酸化しやすいためビタミンEセレンとともに摂ることが必要です。酸化した不飽和脂肪酸は、体に入り細胞膜を連鎖的に酸化して体を弱らせるからです。
 フラックスシードオイル(亜麻仁油)は、海洋汚染がないので人気が高まっていますが、EPAへの体内での変換は遅くて効果が出ない場合もあります。その場合はEPA/DHAを直接摂ったほうが良いでしょう。

脂肪酸の分類

脂肪酸 - 飽和脂肪酸
(動物性脂肪酸)
       
  - 不飽和脂肪酸 - 一価不飽和脂肪酸(オメガ9)
(オリーブオイルのオレイン酸など)
   
      - 多価不飽和脂肪酸
(必須脂肪酸)
- オメガ3
(アルファリノレン酸)
          - オメガ6
(リノール酸)


オメガ3系脂肪酸(EPA、DHA、アルファリノレン酸)
 体に良い油です。動脈硬化を遅らせ、LDLコレステロールと中性脂肪を減らします。血液をサラサラにして、心臓発作や脳卒中を予防します。血圧を下げ、免疫システムを強化し、慢性関節リウマチの症状を緩和します。アレルギーの病気が増えたのは、オメガ3系脂肪酸の摂り方が減ったからではないかといわれています。
 EPA(エイコサペンタエン酸)DHA(ドコサヘキサエン酸)は、魚に豊富に含まれる油です。脳や神経の発育と機能維持に不可欠で、日本の子どもが欧米の子どもに比べて知能指数が高いのは、魚をよく食べるからだという説があるほど。視力の向上、高齢者のアルツハイマーをはじめとする痴呆の予防にも有効です。ほかに、高脂血症を改善し、動脈硬化と心臓病を防ぎ、血栓を溶かし、血圧を下げ、ガン、アレルギー、炎症を抑えてくれます。アメリカの研究者は、北米でのDHAの摂取量の低下とうつ病の増加に相関関係があると指摘しています。
 アルファリノレン酸は植物性の食品からとれる脂肪酸で、体の中でEPADHAに代謝されます。最も豊富に含んでいる製品はフラックスシードオイル(亜麻仁油)(亜麻の種からしぼった油)で、脂肪酸の60%以上がアルファリノレン酸です。
 フラックスシードオイルEPA/DHAはオメガ6(リノール酸)が少なく良性のエイコサノイドを生むので、現代生活では意識して摂ることが勧められています。(但しこれらは酸化しやすいので抗酸化物のビタミンEセレンとともに摂ることが勧められています。)

オメガ3(アルファリノレン酸)→EPA→DHAやプロスタグランジン(比較的良性のエイコサノイドが豊富)
オメガ3(アルファリノレン酸)が多いのはフラックスシードオイルフラックスシードオイルは酸化されやすいため熱を加えてはいけない。



オメガ6系脂肪酸(リノール酸、ガンマリノレン酸、CLA)
 リノール酸(製品は紅花油、ひまわり油、コーン油、菜種油、大豆油、ゴマ油など)は、過去にコレステロールを下げる、体に良い植物油としてもてはやされましたが、実際にはコレステロールが下がるのは短期間で、長期的には逆に上がることがわかってきました。今では肺ガン、大腸ガン、乳ガンなど欧米に多いガンや、アレルギーの原因とみられています。
 オメガ6系脂肪酸からつくられるプロスタグランディンE2ロイコトリエンには炎症や腫れを引き起こす作用があり、オメガ3系脂肪酸にはそれを抑制する働きがあります。とはいえ、リノール酸そのものは体になくてはならない成分であり、問題は、オメガ3系脂肪酸に比べて摂りすぎているところにあります。オメガ3とオメガ6の理想的な摂取バランスは1:4です。
 ガンマリノレン酸(GLA)は、オメガ6系脂肪酸の一種ですが、炎症を抑えるプロスタグランジンE2の原料になるため、欧米でアトピー性皮膚炎と関節炎の治療に使われています。抗アレルギー作用、抗炎症作用、脂質代謝改善作用、アルコール代謝改善作用、抗血栓作用があり、脂肪を燃やし、コレステロールと血圧を下げ、骨量を増やすなど、さまざまな効果が認められています。
 ガンマリノレン酸(GLA)を含んでいるのは母乳のほかは月見草スグリ(ブラックカレント)ボラージというハーブの種子だけです。サプリメントでガンマリノレン酸を補うには、ブラックカレントオイル、ボラージオイル、イブニングプリムローズオイル(月見草油)が最適です。参考ですが、下図から砂糖の摂取はインシュリンを増やす結果、悪性のエイコサノイドを増やす結果となるので免疫の低下やアレルギーの悪化などがおきることがわかります。

EPAはこの変換を抑制、糖はインシュリンを出させて促進する
オメガ6
(リノール酸)
 
ガンマリノレン酸
(GLA)
アラキドン酸 ロイコトリエンなどの悪性のエイコサノイド
(炎症増強,免疫低下,アレルギー促進,血管収縮,血栓促進)
良性のエイコサノイド
(消炎作用,免疫強化,アレルギー緩和,血管拡張,血栓予防)

オメガ6(リノール酸)を多く含むものは、紅花油、大豆油、サフラワー油、コーン油、菜種油、ごま油などの通常よく使うサラダ油(現代食ではこれらが過剰です)
オメガ6(リノール酸)が少ないのは、オリーブオイルフラックスシードオイル(現代食では不足しています)
GLAを多く含むのはブラックカレントオイルボラージオイルイブニングプリムローズオイル(現代食では不足しています))


CLA(異性化リノール酸)
リノール酸複合体とも呼ばれるCLAは、ダイエット先進国のアメリカで、ひまわり油や紅花油のような植物油から人工的につくられた成分です。(製品名はトナリン)。脂肪細胞に脂肪が取り込まれるのを抑え、脂肪の燃焼を助ける働きがあります。普通、ダイエットのために食事から脂肪を減らすと、筋肉も減ってしまいますが、CLAは脂肪だけを減らし、筋肉を増強してくれるので、基礎代謝量を落とさないでダイエットすることができます。抗ガン作用や心臓病を予防する作用なども、最近では注目されています。

オメガ9系脂肪酸(オレイン酸)
 オリーブオイルに豊富に含まれています。オリーブオイルをたくさん摂る地中海沿岸の国々では心臓疾患が少ないことがわかり、一躍有名になりました。HDL(善玉コレステロール)を減らさずにLDL(悪玉コレステロール)中性脂肪を減らす作用があります。加熱しても酸化しにくい、安全な油です。できるだけ紅花油、大豆油、サフラワー油、コーン油、菜種油、ごま油を使わずオリーブオイルを使うように心がけましょう。コレステロールがつきにくいサラダ油などが流行っていますが、コレステロールがつきにくいだけで油の酸化(それに伴う体内脂質の酸化)や過剰なリノール酸が減るわけではありません。

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